ペイフォワードでコンテニュー(スウェーデン研修)
ペイフォワードで心をコンテニュー
~与えることは豊かになること~
スウェーデンのストックホルムの隠れた人気者を今日は紹介したいと思います。
その名もアイアンボーイ!
小さくてかわいい鉄像です。
冬にはニット帽やマフラーをおしゃれに身に着けています。
いったい誰が巻いてくれたのか?
このアイアンボーイの頭を触ると幸せになれるということで、
お賽銭なのかアイアンボーイの周りはコインが置かれていきます。
そうこうしていると、ホームレスらしき人がふらっと来て、
日本で言ったら500円ぐらいのコインを1~2枚持っていきました。
でもだれもなにも言いません。
このアイアンボーイはフィンランド教会の裏庭にあるのですが、
ホームレスの人たちが困ったときに「少しだけ」コインを持っていくことを皆が知っています。それを承知の上で、皆コインを置いていくのです。
ちなみに1~2枚程度というのがポイント。ホームレスらしき人も必要以上には持っていこうとしません。
ペイフォワードの文化だなと妙に感心してしまったのを憶えています。
ペイフォワードというのは誰かに与えたら、その誰かはまた別の誰かに与える。AからB、BからC、CからDと良い連鎖が広がっていくというようなもの。
例えば自分の部下に食事をご馳走したとして、毎回ご馳走していると、「今回は私が払いますよ」となったりするわけですが、私は決まって「あなたも部下と食事に行くでしょう?それなら、その時にその人にご馳走してあげてください」と言います。
今回はわかりやすく「食事」を例にだしましたが、これは金銭やモノのやり取りに限ったことではありません。むしろその根底にある想いが大切なのです。
人はお金やモノを得ることよりも、与えることで豊かになるという考え方ですね。
ちなみにこんな話もあります。
イタリアナポリ発のIl caffe sospesoをご存知でしょうか?
日本では『保留コーヒー』などと訳されていますが、これが私は大好きです。
一杯のコーヒーを飲んだら、二杯分の代金を払う。
二杯目のコーヒーは誰が飲むのか?
それは知らないだれかなのです。
コーヒーを飲むことはイタリア人にとっても日本人にとっても憩いのひととき、
どうしてもコーヒーが飲めない状況にある人たちが、
「保留あるかい?」と聞いて、あれば無料で美味しいコーヒーが飲める。
なんとも粋な文化ですね。
自分が何かをすることで、誰かが幸せになってくれる。
この保留コーヒーのお金の使い方は最高だと思います。
ちなみに、最近私が「最高にいい買い物をしたな」と思ったのは、なんでもない日に妻に贈った『2000円の花束』。
妻もとても喜んでくれましたが、きっと一番うれしかったのは私だったはずです。