自分を解き放つ(フランス研修①)
【コンテニューして自分を解き放つ!】
~フランスでの衝撃的な出会い前編~
デンマーク、スウェーデン、アメリカと世界の福祉状況を見てきましたが、今度はフランスで衝撃的な出会いがありました。
ある障がい者施設にお邪魔させていただいた時のこと、その施設のご利用者様に施設内を案内していただきました。
フランスでもASDの支援に視覚的な支援が至る所に取り入れられており、「ストラクチャーはやはりグローバルスタンダードなんだなぁ」思いながら施設を見て回ると、鏡が沢山設置されている多目的ホールのようなところに案内されました。
様々な活動をする時に使う道具を沢山出して説明してくれ「ふむふむなるほど」と聞いていると、彼女から「私たちは自分を表現することを恐れていない」との言葉が解き放たれたではありまえんか!
「ガッツーン」と衝撃を受けました。はい。フランスで一番の衝撃でした。
どうやら、このダンススタジオのように鏡が張り巡らされているのは、自分自身が表現した姿を自ら見て自己肯定感を高めるためのものだったと推測されます。
そういえばオフの日にルーブル美術館に行ったのですが、モナリザを見るのに某テーマパークかというぐらい並んだ時のことです。
目の前のカップルが(他にも同じような人は沢山いましたが)すぐ後ろに私がいるにも関わらず、ひたすら、イチャイチャしたり、キスしたりしていたわけです。それにもさすがに驚きましたが、一番驚いたのはそこではありません!
なんと、あれだけ長い時間並んで、ただの一度も目が合いませんでした!私は気になってチラチラ視界に入ってきてしまうのに、その間そのカップルは一度もこちらを見ていません。
恐るべしフランス!
文化の違いなのか?
確かにそれは少なからずあるかもしれませんが、学ぶところは大いにあります。
日本人はとにかく人を気にする傾向にある人種です。相手に映った自分を気にします。しかし、相手に自分がどう映ったか、どう受け取られたかというのは、どんなに頑張っても、頑張ったなりの結果が返ってこない厄介な事柄なのです。
例えば、ワンちゃんに水を上げようと、お皿に水を用意したとします。呼んでも来ないので、抱きかかえて、水の入ったお皿の前まで連れてきました。ワンちゃんは果たして水を飲んだでしょうか?飲んだとしたら、どれぐらいの量を飲んだでしょうか?
答えは「わからない」です。ワンちゃんを水の前まで連れてくることはできます。なんなら、喉が渇くようにいつもより散歩を沢山させることもできます。ですが、結局水を飲むかどうかはそのワンちゃん次第だからです。
人に良く思ってもらおうという行動をこの例に例えると、たくさん散歩させたり、抱き上げて水の前まで連れてきたりということになりますが、結局相手がどう感じるかは、ある程度のところまでしかわからない極めて不確かな事柄なのです。
ルーブル美術館でのカップルのように全く人目を気にしないのは、さすがにこの日本では推奨できませんが、相手に映る自分ばかりを気にしていると心がヘトヘトになってしまいます。
相手に映る自分はほどほどにして、自分が感じる自分に目を向けて、それを受け入れる。「ちょっと人と違うかな?」「ちょっと変かな?」と思ったとしても、それでいいのだと受け入れてみてください。それが普通なのだと自分を許しましょう。
きっと今よりはよっぽど楽になりますよ。